家事代行の料金を考え始めたものの、「お客様に見せる料金表に、何を載せればいいのだろう」と迷っていませんか。
例えば、知人から「今度、家の掃除をお願いしたい。料金表はありますか?」と聞かれたとき。1時間あたりの金額だけ決まっていても、交通費や最低利用時間をその場で一つずつ説明するのは大変です。
料金表の役割は、金額を並べることではなく、お客様が「自分の場合、何を頼めて、いくら支払うのか」を判断できるようにすること。
この記事では、個人で家事代行を始める方向けに、料金表の作り方を具体例とともに整理します。すでに料金を決めている方は、そのまま自分の数字に置き換えてみてください。まだ金額を決めていない方は、無料の料金・収益シミュレーターで採算を確認してから作ると進めやすくなります。
先に疑問を確認したい方へ:「1時間いくら」と「1回いくら」はどちらを書く?/延長料金は必要?/キャンセル条件は料金表に載せる? → よくある疑問へ
まずは完成形を見てみよう
以下は架空の家事代行サービス「家事サポート ゆい」の料金表の記入例です。金額は説明用の設定であり、推奨相場ではありません。 例では、お客様向けの表示額をすべて税込の金額として設定しています。
家事サポート ゆい|料金のご案内(記入例)
基本料金:1回2時間から/通常エリアの交通費は1回880円
| ご利用プラン | サービス料金(1時間) | 2時間のサービス料金 | 交通費(1回) | 2時間利用時のお支払総額 |
|---|---|---|---|---|
| 定期・週1回 | 2,800円 | 5,600円 | 880円 | 6,480円 |
| 定期・2週に1回 | 3,000円 | 6,000円 | 880円 | 6,880円 |
| 定期・4週に1回 | 3,200円 | 6,400円 | 880円 | 7,280円 |
| スポット(単発) | 3,500円 | 7,000円 | 880円 | 7,880円 |
対応する家事:日常的な掃除、洗濯、料理、買い物、片付けなど。具体的な作業範囲は別紙のサービス案内をご確認ください。
追加料金など:延長は30分1,500円(対応可能な場合のみ)。駐車料金や買い物の購入代金が発生する場合は別途ご案内します。
お支払い:作業当日の現金払い、または前日までの銀行振込。
ご予約・キャンセル:キャンセル・日程変更、対応エリア、訪問時のお願いについては「ご利用ガイド」で事前にご確認ください。
お問い合わせ:[連絡先・お問い合わせ方法を記載]
――ここまでが、お客様向けの記入例です。
この見本は情報量が多く見えるかもしれませんが、最初に見せたいのは「プラン・時間・1回の支払総額」です。その下に、追加費用と支払い方法を短く置くと、読みやすく整理できます。実際に印刷する際には、料金表と別紙の役割を分けて構いません。
料金表を作る5つの手順
1. 提供するプランと利用時間を整理する
まず、自分が実際に受け付けるプランだけを並べます。
定期サービスを提供するなら、「週1回」「2週に1回」などの頻度を区別します。単発の依頼を受けるなら「スポット」も加えます。ただし、すべての頻度やプランを用意する必要はありません。 週1回だけ、スポットだけという形でも、そのサービスに合った料金表を作れます。
ここで必ず決めたいのが最低利用時間です。例えば「1回2時間から」と明記すれば、お客様は1時間だけの依頼ができるかどうかを判断できます。
2. 「1時間の料金」と「1回の支払額」を区別する
料金表で混同されやすいのが、この2つです。
- 1時間のサービス料金:作業1時間に対する金額
- 1回の支払総額:作業時間分のサービス料金に、別途請求する交通費などを加えた金額
例えば、1時間2,800円・最低2時間・交通費880円なら、1回の支払総額は次のとおりです。
2,800円 × 2時間 + 880円 = 6,480円
「2,800円/時間」とだけ載せると、交通費を含めていくらになるのかは分かりません。反対に「6,480円」とだけ書くと、何時間分なのか分かりません。時間・内訳・合計をセットで示すと親切です。
定期とスポットで金額を変える場合も、差をつける理由を料金表で長く説明する必要はありません。まずはプランごとの金額と条件が分かれば十分です。自分でその料金を設定した理由は、採算や運営方針として整理しておきましょう。
なお、一般消費者に向けて事前に価格を表示する際には、消費税を含む総額表示のルールがあります。実際の価格を掲載する前に、税込表示になっているか確認してください。
3. 交通費と追加費用を分かる場所に書く
交通費は、サービス料金と別に受け取るのか、料金に含めるのかによって書き方が変わります。
| 受け取り方 | 記載例 |
|---|---|
| 定額で別途受け取る | 交通費:通常エリア内は1回880円 |
| 料金に含める | 通常エリア内の交通費はサービス料金に含みます |
| 実費相当を受け取る | 交通費:訪問先に応じて事前にお見積もりします |
金額をどう決めるか迷っている場合は、関連記事「個人で始める家事代行の交通費はどう決める?」で、定額・実費相当・料金込みの違いを解説しています。
見落としやすいのは、駐車料金、買い物代、オプション料金などの扱いです。追加で請求する可能性があるものは、「どんな場合に、誰が負担するか」を事前に分かるようにします。金額が訪問先によって変わる場合は、見積もりや確認方法を示しましょう。
4. 延長料金と支払い方法を書く
延長を受け付けるなら、料金だけでなく、何分単位かも書きます。
記入例:延長30分につき1,500円。予約状況により対応できない場合があります。
延長サービス自体を提供しないなら、料金表に延長料金を載せる必要はありません。代わりに「当日の延長には対応していません」と伝える方法もあります。
支払い方法は「いつ」「どの方法で」支払うかを記載します。例えば「作業当日現金払い、または前日までの銀行振込」です。振込手数料の負担など、追加条件がある場合も忘れずに整理しましょう。
5. 別紙で説明する内容への案内を入れる
料金表の1枚に、すべての条件を細かく詰め込む必要はありません。
キャンセル・日程変更、対応エリア、鍵の預かり、訪問時のお願いなどは、別紙の「ご利用ガイド」にまとめると読みやすくなります。ただし、別紙に分けたからといって説明を省いてよいわけではありません。予約を確定する前に、お客様が条件を確認できるようにしてください。
料金表には「キャンセル・日程変更などの条件は、ご利用ガイドをご確認ください」と案内し、実際にその資料を渡す形が考えられます。
最後に確認したいのは「見た人が分かるか」
見本どおりの表が完成しても、そこで終わりではありません。お客様の立場で、次の点を確認してみてください。
- 料金:自分のプランと利用時間で、1回の支払総額が分かるか
- サービス内容:頼める作業と、対象外の作業を確認できるか
- 追加費用:交通費・駐車料金・購入代金などの負担が分かるか
- 利用条件:最低時間・予約・キャンセルについて、依頼前に確認できるか
- 連絡先:予約や質問をどこに送ればよいか分かるか
- 資料間の一致:料金表、訪問条件、サービス案内で内容が食い違っていないか
特に最後は重要です。料金表には「2時間から」と書いてあるのに、ご利用ガイドには「1時間から」とあれば、お客様はどちらを信じればよいか迷います。
なお、自分のガソリン代や移動経費、目標収入、実質時給などは、料金を考えるための内部用の数字です。お客様向け資料には、実際に請求する金額と必要な条件を示せば十分です。
よくある疑問
1時間あたりの料金と、1回の料金。どちらを書けばいい?
できれば両方です。1時間の単価は比較しやすく、最低利用時間に合わせた1回の支払総額は、実際の予算を考えやすくなります。最初から長い表を作る必要はありません。よく利用される時間の金額だけでも、内訳とともに示しましょう。
定期プランとスポットプランは、必ず分ける必要がある?
両方を提供するなら、分けた方が分かりやすいです。金額が同じなら「定期・スポット共通料金」として一つにまとめる方法もあります。提供しないプランを、見た目のためだけに載せる必要はありません。
延長料金を決めないと、料金表は作れない?
いいえ。延長を受け付けない場合は不要です。ただし、お客様が当日の延長を希望する可能性はあるので、対応の可否を事前に伝えておくと安心です。
キャンセル料はいくらにすればいい?
料金表の見た目だけで金額を決めるものではありません。キャンセル条件は、実際の予約・運営方法や適用される法律を踏まえて別途検討する必要があります。この記事では一律の料率を推奨せず、決定した条件を予約前に確認できる形にすることをおすすめします。
まとめ:料金表は「お客様が判断できる資料」にする
料金表を作るときは、まずプランと利用時間を決め、1回の支払総額が分かるように書きます。交通費や追加費用、支払い方法を添え、細かな訪問条件は別紙へ案内します。
完成の基準は「項目を何個書いたか」ではなく、お客様が依頼前に料金と条件を確認できるかどうかです。
決めた料金が自分の働き方で成り立つか不安な場合は、ニドノワの無料シミュレーターで、訪問件数・移動時間・交通費などを入力して確認してみてください。
参考資料・注意事項
※この記事の料金・サービスは架空の記入例です。特定の価格を推奨するものではありません。税務・契約上の条件は個別の事情によって異なるため、必要に応じて公的機関や専門家に確認してください。